絵まとめ1

SilentNight秋になり、冬になるやぎさん郵便心に焼き付いて少年と猫人魚の鱗羊飼いの見る夢

人間と月

月は大変朗らかな性質ですので、人間よりもゆったりと歩みます。 瞬きも大変ゆっくりなので、人間の、立ち上がりから地に伏すまでを、見逃す事も少なくありません。 月が瞬きをすると、閉じる前にあった街が海になっていたりします。 けれど月はいつも一人で…

レッタとリッタ  登場人物

レッタとリッタ 左がレッタで右がリッタ。 春風に乗って森へやってきた星子。 森に憧れる里のみんなのために森の様子を手紙にして送っている。 ミザとアル 大きい方がミザ。小さい方がアル。 兄弟二人で森に暮らしている。 好奇心旺盛なアルをミザが面倒を見…

レッタとリッタ  7 そして日常へ

朝です。 日の光が森を柔らかく染め上げ、木々のざわめきも心なしか遠く感じます。 リッタが草のカーテンを開くと暖かく、穏やかな森の表情が家の中に差し込んできます。 初めて見る森の表情は、二人が森に来て初めて見た夢に似ていました。 「雲に住む人は…

レッタとリッタ  6レッタとリッタ

あれからまたレッタとリッタは家から出てこなくなりました。 ヒチイは息をするのもやっとな程衰弱していきました。 ミザやアルはとても心配し毎日二人に状況を聞きにいきましたが、リッタとレッタは思いのほか冷静に説明するのでした。 ヒチイは元々体が弱い…

レッタとリッタ  5死にかけのミグラント

ここのところ、日の光が森の奥まで届きません。 空は雲に覆われ、森には小雨が続いています。春の陽気にはしゃいでいた子供達もすっかり大人しくなり、森はただ雨がしとしと降るだけになりました。 森が静かなのはそれだけじゃありません。ここ数日、リッタ…

レッタとリッタ  4流星を見に行こう②

夜です。 あの後たっぷりと寝たミザとアルは流星を見るのに万全な体制が整いました。 リッタとレッタも少し眠りましたので、流星のピークが終わるまでは起きていられるでしょう。コルンは夜が苦手なので、一足早く氷の湖に足を運んでいました。流星群が来る…

レッタとリッタ  4流星を見に行こう①

朝です。 今日は晴れているので木々の間から光が差し込み、いくつも重なって見えます。 空気中の水達が笑い合うように舞って、森中がきらきらと輝いているようでした。風もすがすがしく、気持ちのいい朝なのです。 「おはよう、ミザ、それにアルも」 ミザが…

レッタとリッタ  3 湖はいずこ②

「やぁ、アル。また湖の話を聞きに来たのかい?」 そう言う虫を凝視してミザはこう呟きました。 「この花、アルが一昨年の夏に見つけて、凄く気に入っていた花に似てる」 「ラカイユはその花」 アルがミザを見上げてそう言いました。 一昨年の夏、氷の湖まで…

レッタとリッタ  3 湖はいずこ①

大きな大きな森の中を4人はとことこ歩いていきます。 リッタは初めての事だらけで嬉しそうに大きな猫の横を歩いていました。大きな猫の名前はミザ、小さな猫の名前はアルといいました。 「君は猫じゃないの?」 リッタがミザに話し掛けます。 「僕達は猫だ…

レッタとリッタ   2友達との出会い

「あそこにいるの、いつかママナが話してくれた猫という生き物じゃない?」 リッタが声を潜めてレッタに言いました。 レッタは葉の影に隠れてリッタの指差す方を見つめました。 「確かに、絵と模様は違うけど、三角の耳に、長い尻尾がある」 それからレッタ…

レッタとリッタ     1初めての森へ

あなたは聞いた事があるでしょうか 空を自由に行き来している村があると言う事を 空を見上げて見て下さい。そこには白い雲がありますね。 雲は白いだけではありません。よく見て下さい。雲の中には色々な「影」があるのです。 太陽の光をさんさんと浴び、光…

海と星子

暗い暗い海を何度泳いだ事でしょう。 クルムは波に包まれながら夜の星空を見て不思議な気持ちになりました。 夜空に浮かぶ星達は取るに足らない小さな粒のように見えましたので、ミグラントの里に居た頃は星空を砂漠のように思い、そこに上る星子達を見てよ…

命について

これはツバメが教えてくれたことだけれど、遠くの海で一人のミグラントが亡くなったらしい。 森に辿り着けず、海に迷い込んでしまったミグラント。 そんなミグラントに鳥と魚が好意を寄せた。 日に日に衰弱するミグラントを助けたくて、鳥は木苺のジュースを…

物置はじめました

今まではtwitterが主だったのですが、長文用にブログ使用してみようと思います。 ほぼ自分のメモ用